当院での胎児スクリーニング検査について
当院では妊婦健診で行っている通常超音波
検査とは別に【胎児スクリーニング検査】
を初期・中期・後期に行っています。
胎児スクリーニング検査とは、超音波検査
で胎児の内臓や骨格、心臓や血管などを調
べていき、その形態や構造、動き(流れ)の
変化を時間をかけて詳しく診ていきます。
超音波検査は出生前診断の一つですが、採
血を行う出生前診断とは違い染色体の異常
を診断する検査ではありません。
※採血で行うNIPTやクアトロテスト等の
出生前診断も確定診断はできません。これ
らを非確定的検査と言います。
しかし、超音波検査で認めた形態的な異常
の組み合わせから、特定の染色体異常を疑
うことはできます。そのような場合、確定
的検査である羊水検査や絨毛検査を薦めて
います。
当院では「胎児超音波スクリーニングガイ
ドライン」にある何十種類もの観察項目を
一つひとつゆっくり確認していきます。
海外で広く行われている出生前診断の一つ
「コンバインド検査」の精密超音波検査と
観察項目は殆ど同じで、最新の超音波機器
を使用し詳しく確認致します。
下の写真はすべて胎児スクリーニング検査
で撮った超音波写真です。
赤や青の色がついているところは血管です。

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3枚目は妊娠13週の超音波写真です。
正常な臍帯は胎盤に付着していますが、画
面左下から上に向かって伸びる臍帯が胎盤
ではなく子宮の壁に直接付着しています。
これを「臍帯卵膜付着」といいます。
さらに付着後の血管が子宮の壁を沿い子宮
頸管(赤ちゃんの出口)画面下に向かって走
行しています。
これを「前置血管」といいます。
前置血管と診断された場合、原則帝王切開
を行うのですが、診断されずこのまま経腟
分娩になると大出血し赤ちゃんの命に関わ
ります。
このように胎児スクリーニング検査では、
赤ちゃんだけでなく胎盤や臍帯などの形態
の異常がないか確認していきます。
にしさこレディースクリニック 院長
2023-09-04 17:54