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『母と私』


私の母も看護師をしていた。それも産婦人
科の看護師をずっと。
その母が去年から病気を患っている。

それを知らされたのは去年の私の誕生日の
朝だった。
『誕生日おめでとう。実は母さんは来週か
ら入院して手術します。頑張ります』と、
SNSで知らされた。
それを見た私は憤慨した。
夫も出張中で、すぐに感情をぶつける相手
が見つからず、気持ちが胸の中でごちゃご
ちゃした。
病気のことを数ヶ月間黙っていた様子に、
とてつもなく水臭さを思い知らされ、そん
な関係性なのかと脱力感でいっぱいになっ
た。
数年前に現役から離れたとは言え、看護師
同士なのだし、理解し易い存在だと言う自
負もあった。
でも、落ち着いて考えると、直ぐに周りに
不安を伝えない母は凄いとも思える。
父にも数週間黙っていたのだから。
私ならきっと、誰かに聞いてもらって、気
持ちを開放したいだろうと思う。

母は今もその病気と闘っている。故郷から
離れて住んでいる私には、そんなにその様
子は伝わってはこない。
親娘もなかなか難しいものだ。

そんな母に言われた言葉で私がとても大切
にしている言葉がある。
『60点でいいのよ』
である。
1人目の育児1年生の頃、育児は100点
は無理だから60点くらい出来ればいいと
思えばいいと言われた。
『100点を目指しても育児はなかなかそ
うは行かない。真面目に取り組もうとすれ
ばするほど、息切れして苦しくなってしま
う。少し肩の力を抜いて、こんなくらいで
上等!と自分を労ってあげて』
と、母から貰った言葉を、今は産後のママ
達に話す事がある。

どんどん母に似てきている私は、これから
も産後のママ達に、母から貰った『60点
でいいのよ』を有難く繋いで行きたいと思
う。


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看護師 ORCA